「21世紀型教育」の実践そのものが目的ではありません。建学の哲学に適(かな)う人物を育て上げる手段です。禅の精神が息づく私学が理想と掲げるのはいかなる人でしょうか? 指針を見いだすのは、20世紀に初代校長先生が残した数々の金言。そのまま、21世紀の心構えに合致します。「真人(ひと)」とは、「主体的に社会に献身する人」です。
グローバル化が進む現在、普段、日本で生活していても国籍・人種・宗教などの異なる人々と関わる機会が増えてきています。さらに、国際的に仕事をする日本人も増えてきています。文化や言語などが多様な人々と共に活動する機会が急激に増加しています。
いま、中高生として過ごす生徒たちが卒業するころには、よりグローバル化が進み、経済活動・社会活動・文化活動を行う際に、「異文化の人々と関わりながら多様な問題に向き合う」ということが、必須となっていくことでしょう。
本校は、グローバル化が進む「新たな時代を切り拓く力」を持った人間(ひと)となるためには、語学力・異文化を受け入れて共に生きていく力が必要だと考えます。そのため、「新たな時代を切り拓く力」を身につけるための、多様なプログラムを構築しております。
国際交流事業・イングリッシュフォーラム・GTEC・英語検定・ネイティブによる授業
イングリッシュラウンジ
本校では、日頃の英語科の学習や総合的な探求の時間「国際理解」などでも、4技能(読む・書く・聞く・話す)の学習に取り組んでまいりました。イングリッシュラウンジもその機会のうちの1つで、生徒が英語で交流し、英語コミュニケーション力を向上できる場となっております。イングリッシュラウンジでは、本校英語科の担当教員に加えて、(公財)横浜市国際交流協会が運営する横浜市国際学生会館の協力を得て、外国人留学生がスタッフとして参加いたします。さまざまな国々から来日し、横浜の大学または大学院で学ぶ留学生との交流を通じて、英語による異文化コミュニケーションの楽しさを学ぶことができる機会となります。2020-2021年度はオンラインでの実施となり、写真やパワーポイントを共有したり、地図や食べ物を検索して紹介するなど、新しいツールを用いた交流をしました。


海外語学研修
希望者を対象に1週間~3週間程度の海外語学研修プログラムを実施。アメリカ、イギリス、オーストラリア、台湾等から、行き先を選択し異文化に触れながら、語学力を高めていきます。
実施例
アメリカホームステイ 期間:16日間 |
サンディエゴホームステイ(アメリカ) 期間:16日間 |
イギリスホームステイ 期間:12日間 |
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ユタ州セントジョージ近郊にてホームステイを体験しながら、現地の中学・高校の正規授業に参加。授業体験では現地生徒がバディとして一緒に授業に参加し、学校生活を共にする。 | 語学学校"インターナショナルハウス"に参加する研修。世界各国からの参加者と英語クラスを受けたり、アクティビティなどに参加しながら、語学力を磨く。 | コッツウォルズ地方に位置するチェルトナムで、12日間のホームステイを体験しながら、語学学校"インリンガ"で英語研修を行う。 |
オーストラリアホームステイ 期間:14日間 |
イギリスホームステイ 期間:8日間 |
台湾グローバル人材育成塾 期間:8日間 |
ホームステイを体験しながら、現地の中学・高校の正規授業に参加。授業体験では現地生徒がバディとして一緒に授業に参加し、学校生活を共にする。 | コッツウォルズ地方に位置するチェルトナムで、ホームステイを体験する。 その他観光地を巡り、イギリスの文化に触れることができるプログラム。 |
グローバル社会において必要とされる語学力や専門スキル、IT技術を身につけるためにはどのような手段が必要かを学ぶプログラム。 進路選択肢の一つとして、台湾を含めた海外大学への進学を考える機会となる。 |
生徒の声

ターム留学(中学3年生以上を対象)
オーストラリアの学校の1学期間(one term)が、留学期間となります。本校での1学期の期末試験を終えた後に出国し、帰国するのは9月末~10月上旬。ターム留学中は、本校で定める出席すべき日数を減らす措置を取り、2学期の成績についても配慮します。現地では一般の公立校に通って同世代の仲間たちと一緒に授業を受けるほか、ホームステイ先のホストファミリーとの生活が楽しめます。
事前学習
海外語学研修希望者を対象に、留学先での過ごし方や文化を学ぶ研修を実施しています。2019年度に行った座談会では、海外大学に進学した卒業生たちに来校してもらい、現地での生活や学習についてのアドバイスをききました。身近な先輩から生の声をきくことで、モチベーションが一気に上がった様子でした。
事後学習
海外語学研修参加者を対象に、事後学習として研修先で学んだことを共有する「座談会」を実施しています。 自分が何を得たのかを振り返って発表するだけでなく、他の生徒がどのような体験をしてきたかを知って刺激し合うことで、海外への興味関心や、英語を学ぶ意欲の醸成につながります。
ホームステイ受け入れによる国際交流事業(実施例)
サンフランシスコのHigh school受け入れ
カリフォルニア州の学生が、本校生徒の家にホームステイし、日本の高校生活(授業や部活動など)をすべて本校生徒と共に体験しました。ときには教えたり、ときには教えられたりと、体験を通して問題発見・解決能力やコミュニケーション能力を育みました。
東南アジアの高校生との交流
2017年度はインドネシアのSMS LABCHOOL CIBUBURの生徒との交流を行いました。お互いの文化についての発表を行い、相互理解を深めました。
探究型教育
探究型教育の意義
21世紀を生きる生徒たちに必要な能力「21世紀型スキル」は、「持っている知識や知恵を集団の中で効果的に活かすことができる能力」と言えます。私たちの身の周りでは、予測不可能で答えの無い問いが沢山あります。むしろそういった問いに当たることが多いのが社会です。こうした問いに、生徒が「協働性」・「主体性」・「挑戦する心」といった学習者としての姿勢をもち、協力し合って対峙できるようにするために、グループワークやPBL、SDGs学習などの探究型教育を行っています。そして、「学びの心で世界を変える」という教育目標を達成していきます。
SDGs学習
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、環境・経済・社会の面で生活に問題を抱えた世界中の人々を救うための、国連で採択した2030年までに達成すべき17個の国際的目標のことです。SDGsは社会課題をみる窓として、生徒に多面的な視点を与えてくれます。本校では、SDGsを授業の一部に取り入れています。生徒たちはSDGs学習によって、日頃の学びが社会課題解決のための一つの手段であると認識し、生徒一人ひとりが社会に開かれたモチベーションある学習者へと成長します。
弁論大会
毎年11月に行われる弁論大会では、生徒一人ひとりがSDGsでの学びや身近な気づきからテーマを考え、夏休み中に原稿作成を行います。社会課題を自分の視点で捉えて思考し、提言することが目的です。2学期のクラス内予選を経て、各クラスから1~数名が代表として選ばれ、講堂で弁士として自分の考えや意見を論じます。21世紀を生きる生徒たちが、未来の課題に対して思いやりをもって具体的に行動するために、主体的に物事を見る視点、具体的な解決方法を諦めず思考し続ける力を養ってほしい願っています。
特活自由研究
特活自由研究とは
生徒は全ての教科の中から、自分の希望する教科を選び、夏休み明けに自由研究成果(レポート・ポスター・作品など)を提出、文化祭にて各教科教室で特活自由研究を行います。「テーマ設定→課題発見→調査→分析・研究→課題解決・表現」という過程を通して、「21世紀型スキル」を身につけます。
特活自由研究 優秀作品リスト
- ・昔、總持寺と川崎大師間に電車が走っていた!
- ・食品サンプルについて
- ・貝殻ランプシェード
- ・月の満ち欠けと潮の満潮の関係
- ・般若心経
- ・機械翻訳の面白さ
- ・浦賀の街並み
- ・50 states of the United States of America
- ・九谷焼
- ・酸度の高い酸を使用した溶解条件の検討
各教室にプロジェクターが備わっていて、ネットワークに繋がっています。膨大な情報にアクセスできるので、学びは軽快です。世界の光景を映し出せばライブな知識を体感できます。随時、テクノロジーの進歩に伴い拡充しています。現在、キャンパス全域のWi-Fi環境が整備され、各教科エリア・図書館・体育館・講堂を含めた全域でネット環境に接続ができます。また、個々の生徒がICT機器を携える学習も始まりました。
機械は、あくまで道具です。鶴見大附属の教育理念を鑑に、常に「何に活かすのか」を周到に吟味しています。